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マットレス

NOCEのオリジナルマットレス 4 マットレスの種類とNOCEオリジナルマットレス

1「なぜマットレスを開発したのか?」

それは、「自分でマットレスが必要になったから」と始めに書かせていただきました。
>記事はこちら

 

実際、探すと膨大な種類と数があり、
価格もピンキリで「どうやって選んだらいいかわからない」ので店舗に行くと、

店舗の方から色々ご説明いただきますが、「さっぱりわからず」で帰るのみでした。

知識を得ようとネットで検索すればするほど更に迷ってしまいます。

 

それでは、今週のお題「マットレスの種類」
商品開発する過程で得た知識とともにご説明させていただきたいと思います。

 

因みに、現在僕はサンプルで作ったマットレスに8ヶ月寝ていますが、これは販売中マットレスの開発途中のものです。
現行モデルは、これを実際自分で使用した上で発展させたものになっています。
この他にサンプルのマットレス3枚、さらに開発途中の未使用サンプルマットレス5枚があり、
こちらはNOCE SCONTOにて格安で販売しています。

 

さて、ポケットコイルマットレスといえば、
「指の先にある個人の認識にも使われるものの複数形」でしょう。「点で支える」あれです。
そのポケットコイルは、マットレスの構造から考えるとクッション材にあたります。
マットの役割の重要性とは別に、このクッション材で大きく3種類に分けられます。

 

バネ系のボンネルコイルとポケットコイルノンコイルのウレタンです。
それぞれをまとめると大体次のようになります。

 

<ボンネルコイル>

構造

大きめのスプリング(バネ)をそれぞれ結んで面を作っていきます。
スプリング同士は独立していますが、結ばれているため大きな面のようなイメージになります。
このため、一点に荷重されず耐久性に優れ、強い反発力があります。
工場から送られてきた画像では、10人男子が立って乗っても沈みこみは僅かでした。

 

寝心地

スプリング上の詰め物にもよりますが、構造上かたくなるのが特長でしょう。
かたい寝心地が好きな人には、沈み込みも少ないので向いているかと思います。
体の凹凸が少ない男子や、かたい面により寝返りがうちやすく、よく寝返りをうつ人にも向いています。

ただ「うっ血を防ぐための寝返り」と考えると、かたすぎて部分的に荷重が集中してしまいうっ血し、
何度も寝返りをうって睡眠の質を下げてしまう可能性もあります。
僕もボンネルは嫌いではありませんが、安い素材のものは腰が痛くなった経験があります。

ボンネル系は、日本を代表するベッドメーカーやアメリカの「3大S」のひとつが積極的に使っていますが、
いいものはポケットコイルの高級なものより高いものもあります。

 

特長

高反発マットレスの代表とも言われるかたさ、それと耐久性かと思います。
体圧分散をする詰め物がへたってしまい「バネあたり」(バネの反発が直接からだに感じられること)が出ても
新しくウレタンマットを敷けば使えます。

実際、NOCEで販売していた脚付マットレスのウレタンがへたってしまい、
NOCEの倉庫にあった売れ残りのマットを載せて寝ていました。
はじめのうちは、高級ホテルの寝心地でした。

ボンネルのもうひとつの長所は、バネがポケットコイルのように包まれていないため、
通気性に優れカビなどが生えにくいことでしょう。

構造が単純なため、安価なものから高級なものの差が激しく、販売されるものはそのメリットをいかして安いものが多いため、ボンネルイコール安物のイメージとなっているようです。

 

<ポケットコイルマットレス>

構造

ボンネルに比べると細めのコイルをひとつひとつ布に包んで(布袋に入れて)マットレスの大きさに敷き詰めます。
つながれたコイルで面を作るボンネルコイルに対し、
ポケットコイルはコイル自体が独立しそれぞれ作用するため、点で体を支える事になるのです。

ポケットコイルもピンキリですが、ある程度のコイル数を入れないとマットレスとして機能しないため、
詰め物にもよりますが品質のバラつきは少ないかと思います。

ただ、配列と数、各コイルの長さ、コイルの線径や質(SWRHなどで表示されるコイルを作る硬鋼線の炭素やマンガンの含有量。コイルの質を表す指標。最近、表示義務が無くなりましたが、NOCEでは表示しています)によって変わってきます。

 

配列は、交互配列並行配列があり、
交互配列はハチの巣状に組み合わせて構成し、
並行配列はコイルの直径同士をあわせて配列する方法です。

当然、交互配列の方がコイルの数が多くなり、並行のほうが少なくなります。

これはコストに反映されますが、あくまでも構造の違いで詰め物やスプリングの質、数、長さなどの要素でマットレス全体を判断すると「どちらがいい」とはいえません。
とは言え、予算もあるのでギリギリで「安くて品質のいいもの」を目指さなければなりません。

 

寝心地

点で支えるポケットコイルも詰め物によりますが、体に吸い付くようにフィットします。
ただ、「詰め物」が大きく寝心地に作用するため、
ポケットコイルのパフォーマンスだけで判断はできないかと思います。
いわゆるポケットコイル神話の「ポケットコイル、イコール寝心地がいい」はありません。

一般的に、交互配列はコイル数が多いため硬めですが体にフィットし、
並行配列は、やわらかめでもコイルがあたり適度に硬く寝返りもうちやすいといわれていますが、
これも絶対ではありません。

 

例えば、コイルの質を高め数も多くするとコストが上がるため、
詰め物で調整するとただ硬い残念な寝心地になり、
詰め物を良くしてコイルのコストを下げるとやわらかくなりすぎ、あまりいい寝心地も得られず持ちもわるくなります。
全てスペシャルにすれば、価格もスペシャルになってしまうのです。

 

僕は、ダブルポケットコイルシングルの試作1号を使っています。
僕は満足していますが「寝心地が硬い」とご意見をいただき、外国に行けないため東京の5つ星ホテルに泊まったり、マットレスのショールームで試したりと、
アメリカ3Sと日本製(ヨーロッパの国名のベッド会社)は勿論、様々なマットレスを試してみました。

結果、ポケットコイルの寝心地は、硬いではなく「フワっとしたあと吸い付く感」・・・
少し難しい表現ですが・・・キモはフワでしょうか。

価格が高くなればなるほどこの「フワっと」があって「ジワっと」ポケットコイルが受け止める感が強くなる気がします。
この「フワっと」感はポケットコイルではなく詰め物で、「ジワっと」がポケットコイルになるかと思います。
このため、いくら高級素材をポケットコイルに使用しても詰め物がダメだと残念になるわけです。

特長

コイルを多く配置しているため点で支える感じもありますが、体の凹凸部分を埋めるように感じます。(個人的感想ですが)

ウイークポイントは、マットレス本体をコイルで埋めてしまうため通気性が悪くなる事、
点で支えるため1本のコイルに負担がかかり、コイルの質が悪いと耐久性がわるくなるところですが、
この点を考慮しても得がたい寝心地があります。

ただ、ある程度の寝心地や耐久性を追及するとコイルの質や数、長さ(長い方が弾力性に優れている)を高めるため
当然コストが上がってしまう事も難でしょう。

 

<ウレタンマットレス>

構造

最後にウレタンマットレスですが、
ウレタン素材で作られたものでノンコイルマットレスとも呼ばれています。
よく旅館などの和室で敷く薄いものから、コイルマットレスと同じように使う本格的なものまで幅広くあります。

ここは、この本格的なもので話を進めていきます。

構造はいたってシンプルで、様々なウレタンを重ねて構成されます。
大きく高反発(硬い)低反発(やわらかい)に区分されていますが、ウレタンの密度によることが多いかと思います。
ソファーのシートでもおなじみの
高密度ウレタンなどです。
高密度なほど硬くなります。

今回、試作のウレタンマットレスサンプル1号は、やわらかすぎて「腰が痛くなり」ダメでした。
これを知人に譲渡したところ「これほどいいマットレスはない」と今も使用しています。
聞けば、横向きでほとんど寝返りをうたないそうです。
寝相が悪く、なんども寝返りをうつ僕には「ムリ」でした。

 

ウレタンマットレスは環境にも優しくヨーロッパの高級ホテルでは積極的に使用しています。
しかもロールパッキングで輸送コストも削減だったのですが、もう少し硬くするとロールが難しいので少しこだわって開発しました。

 

まずマットレスの硬さを確保するため
クッション材は密度35%の高反発ウレタンを使用し、
更に別の28%ウレタンを敷いて、
その上にベルギーのブランドで高級ベッドの詰め物にも使用されているLATEXCO社製のラテックス(密度70%、7つのゾーンで硬さを変えてあります)を使い、フワっとして硬い感じを実現しました。

 

裏面は、天然パームとポリをあわせ接着剤を使用しない新素材のマットを敷き、
さらに高反発ウレタンを敷いて硬さを確保しました。

 

この構造は、両面使用を考えたもので
ラテックスのフワっとした面が冬パームの硬い方が夏と使用していただくようになっています。

 

これはマットローテーションを夏に前後、冬に前後の4回出来ることで、ウレタンの弱点でもある耐久性を高める結果となるのです。

 

寝心地

まず、コイル系では味わえない「じんわりしてピタ」があります。
高反発の場合は、まさにじんわりと体がマットに吸い付いていきます
低反発だとやわらかく「包まれたような」寝心地があります。

 

僕は、初めてドイツのホテルで高反発(イタリア製)ウレタンマットレスに寝ましたが、
やはりコイル系とは全然違う寝心地で、
マットレス全体の反発力は変わらないはずが、力の加わるところ(体の重い部分)に合わせてマットが変わる感触でした。
フカフカ系の形状記憶ではありません。
もっと硬い感じでした。

 

メーカーは、日本でも有名なところではありません、
ウレタン系マットレスメーカーは、百は超えるほどあります。(多分それ以上)
ケルンでマットレスのパビリオンはスルーしていましたが、
天然素材で圧縮ロール可のメーカーと折衝しましたが、とんでもなく高くてあきらめたことがあります。

因みに売りでシングル20万です。
得がたい寝心地でも高すぎてNGでした。

 

特長

ウレタン素材による寝心地ですが、素材の弾力性でいくらでも種類が作れるシチューのようなものです。
又素材が軽いため、マットローテーションが楽なことも強みです。
そして、消耗品であるマットレスなので処分しなければなりませんが、粗大ごみとして出す事もできますし、なんならノコギリで切って普通のごみとしても処理することができるのです。

難点は、通気性が悪いこととヘタリがあり、コイルよりも耐久性がやや劣ると言うことでしょうか。
ただ、耐久性については、軽量なのでローテーションが苦にならずこまめにできるので問題は解決できるでしょう。
価格は、コイルよりもやや高め(同レベルで)です。

 

来週は、NOCEオリジナルマットレス最終回です。

 

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