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日記

NOCE札幌店 3月3日復活 赤レンガの歴史的建造物 サッポロファクトリーに

NOCEが北の大地札幌にオープンしたのは2001年、今からちょうど20年前のことでした。

多くのお客様のご愛顧をたまわり続けてきましたが、お店の老朽化やネット販売が中心になりつつある中、お店の存在価値が問われていました。

そして苦渋の決断の中、愛する札幌撤退・・・と決定されました。

が、多くのお客様から「何故?もう一度開店を」との暖かいご支援をいただき、復活することに決まったのです。

もう一度路面も考えたのですが、今回「サッポロファクトリー」北海道の方なら誰でもご存知の商業施設に入れていただけることになりました。

サッポロファクトリーは、1876年(明治9年)操業のサッポロビール工場の跡地に作られた商業施設です。

実際、1989年まで札幌第一工場としてビールを醸造していたそうです。

今回、NOCEがお世話になるのは、レンガ造りの明治操業の145年前の建物です。

イメージは、ブルックリンそのものです。

実際のファクトリーをリメークしただけあって、雰囲気が尋常なく盛り上がります。

僕も、御紹介を受け一目ぼれでした。

ファクトリー、インダストリアル系インテリアとして、ソファーをのせる棚は本物の足場を組んで、足場の材木に近い杉の無垢材をシェルフにしてあります。

やっつけ仕事でしたが。現場で2晩泊り込みで、何とか復活の日、3月3日オープンに間に合わせることができました。

2月26日金曜日、仕事を終えて羽田空港に。

ギリギリで「乗れないかも」でしたが、なんとか搭乗ゲートまでたどり着きました。

最近、減便の影響でこれが最終便だと知り「ホッとした」のもつかの間、札幌が大雪で「降りられない場合、羽田に引き返す」という条件付フライトになってしまいました。

最終便に搭乗し

飛行機は夜の東京を眼下にして

雪の新千歳空港に無事着陸しました

地下にあるJRに乗り

雪の駅をいくつか通過し

札幌駅に到着しました。

電車を降り

誰もいない夜の札幌駅から(今は特別。いつも混んでいます)

外に出ると、細かい雪が舞っていました。

時間は10時40分、気温マイナス7度でした。

ファクトリーの赤レンガが雪の中から見えて来ました。

夜間作業のため、別の入り口で登録を済ませ売り場に向かいました。

なに・・・これあり!?

業者さんが、足場と板を運んできていましたが、家具たちがバラバラに散乱し収集付かない状態でした。

旧NOCEからの引越しも夜間のやっつけ仕事なのでしかたないとしても、正直つかれもあって泣きたくなってきました。

とりあえず、足場のできるスペースを無理やり作りました。

あとは一本足場を通してそこに家具を移動させと指示し、ホテルに帰りました。

正直、「半分できていればいい」と思っていました。

外に出ると薄い雲からもれる月の光がビール工場の煙突を照らし

雪に反射したあかりが雲までとどいて、北の街は白夜のなかでした。

雪と凍った道をそろそろと歩くと、

赤レンガのファクトリーは

白夜にうもれ、静かな街にたたずんでいました。

その中に、夜通し作業のNOCEサッポロファクトリー店の窓に残されたあかりは、ついたままでした。

時間は2時近く、ようやくディナーです。

セブンのサンドウィッチとコールスローサラダ、なんかこれがすごく「ごちそう」でした。

雪の道を歩いてファクトリーの前にあるホテルに戻り、ベッドに入るとすぐに夢の中でした。

気になってしまい、5時ごろ起きると窓のあかりは消えていました。

終ったのか、途中でタイムアウトになったのか。

翌朝、6時。

大雪です。

ファクトリーの屋根にも雪が積もっていました。

朝食を済ませ、いよいよ展示作業開始です。

煙突も雪のなか、

凍えるレンガの軒にも大きな「つらら」

まだ冬厳しい札幌の朝です。

レンガのコリドーをぬけ

オープン前のレンガ館のろうかを歩いて、扉をあけると

なんと、全部組みあがっていました。

感動です。

業者の方、こころから感謝です。

おもったとおり、足場のクール感、無垢の杉板のあたたかみ、レンガの壁にピッタリです。

足場、杉板、レンガすべて本物です。

臨場感あふれすぎです。

ブルックリンです。

さて、サッポロファクトリー店は、全くの新人3人でスタートです。

あらっぽいOJT(職場の上司が実際の仕事を通して知識や技術を身に付けさせる教育方法)ですが、あいているたなにソファーをのせていきます。

そのうちになれていくでしょう。

「習うより、慣れろ」実物にさわりながらの貴重な体験です。

だんだんとかたちになってきました。

明日の作業のため、体力温存で午後5時に終了です。

外に出ると、すっかり暮れたダークピンクに染められたレンガ館の空には

明治時代からある煙突にあかりがともされていました。

遠い時間の彼方に、またこの時間が塗りかえられていきます。

レンガの建物にも夜がきました。

ビアホールにはよらず、

眠ることにしました。

翌朝、目のさめる群青の空でした。

煙突の下の醸造機には、札幌開拓使麦酒醸造所と書いてありました。

ビール、雪、青い空、レンガ・・・・・はるかドイツのケルンを思い出していました。

今日は、仕上げに入ります。

日頃、きたえているので筋肉痛にはなりませんが、たぶん新人はかなりつらいかと思います。

ととのってきました。

あとは、プライスをつけてだいたいめどがついたところで、帰ることにしました。

NOCEサッポロファクトリー店・・・・復活の日まで3日。

レンガのコリドーをあとにして

札幌駅から

改札を抜け

新千歳空港にむかいました。

なにか、とてもせつない思いに胸がいっぱいでした。

わすれものをしたような、大切なものを置いてきたような・・・はなれたくないような。

列車は、雪けむりをあげながら、雪に白く染まる北の大地を疾走し、線路をきざむ車輪のリズムがこの3日間のエンドロールになっていきました。

空港でチェックインを終え

ロビーでコーヒーを飲みながら空をながめ

羽田行きの飛行機で東京に帰りました。

 

3月3日、無事サッポロファクトリー店はオープンいたしました。

新人スタッフによるゼロからのスタートで、いたらない点も多々あるかとはおもいますが、前店舗同様のご愛顧をたまわりますよう、最大限の努力をさせていただく所存であります。

スタッフ一同、お客様の御来店を心からお待ち申し上げております。